「親がいないからできなくなる、をなくしてあげたい。」自立援助ホームLEAPホーム長/中嶋亮太さん

自立援助ホームとは✍~

なんらかの理由で家庭にいられなくなり、
働かざるを得なくなった原則として15歳から20歳まで
(状況によって22歳まで)の子どもたちに暮らしの場を与える施設です。

生き生きと生活できる場、安心して生活できる場を提供し、
大人との信頼関係を通して社会で生き抜く力を身に付け、
子どもたちが経済的にも精神的にも自立できるように援助する事を目的としています。

全国自立援助ホーム協議会HPより引用(https://zenjienkyou.jp/about/
特定非営利活動法人青少年の自立を支える福岡の会 自立援助ホームLEAPについて✍~

令和元年7月1日、福岡県筑紫野市に開設された自立援助ホーム。

『飛び越える、上昇する』という意味の英単語「leap」にちなみ、子どもたちに困難を乗り越え社会へ大きく
飛び立ってほしいという思いが込められた「LEAP(リープ)」。

リープでは、日々の生活支援、就労支援、退去後の支援を主な支援内容として提供されています。

今回は、そんな自立援助ホーム・リープのホーム長を務められている中嶋亮太さんにお話を伺ってきました。

自立援助ホーム・LEAP玄関

子どもに関わるようになったきっかけ

木下

まず、子どもに関わられるようになったきっかけをお伺いできればと思うのですが・・・😳

中嶋さん

もともと小さな子どもというか、青年期の青少年とのかかわりに興味があって。

木下

その原点というか、青少年とのかかわりにご興味を持たれるようになったのはどうしてですか・・・?💭

中嶋さん

自分自身、青年期ぐらいから相談をされるようなことが結構多くて、いろいろと関わるうえで自分と同じ世代でありながらも生きづらさをかかえている友人とかも多かったんですよね。

中嶋さん

親子のことでうまくいかない話とか聞くことがあったり、中には小さいときから養護施設で暮らしている子もいたりとか🏡

中嶋さん

とはいえ、何ができるのかっていうのは当時あんまりわかってなくて、ただまあ話は聞いてあげられるけど・・・ くらいだったんですよね。

中嶋さん

自分の中では、そういういろんな人の話を聞くのが全然しんどくなくて、いくらでも一緒に時間を過ごせるって感じだったんです。

中嶋さん

なので、小さい子ども達でも、高齢者でも、あるいは障がい者でもなく、なんかもっと身近なところで相談に乗れるような仕事ってあるのかなと思いつつ・・・💬

木下

なるほどなるほど😳

中嶋さん

相談に乗るのを仕事にするんだったらそれなりの資格がいるよなとか、カウンセラー的な仕事を目指した方がいいのかなって漠然と思うことはあったんですけど・・・

中嶋さん

結局仕事として専門的に関わる、というよりは、これまで通り、あくまで周りとのかかわりの中で相談に乗ったりする感じに落ち着きました。

中嶋さん

なので、仕事としては不動産の仕事だったり、今とは全く違う業種の仕事に就いていましたね😶

自立援助ホームLEAP・外観
木下

そこから自立援助ホームの職員さんへとキャリアチェンジされたご経緯が気になります!👀

中嶋さん

転職活動をしている時、自立援助ホーム職員という仕事で募集があるのを見つけて、「どんな仕事なんだろうなあ」と興味を持ったのが最初のきっかけです。

それまで福祉とか児童分野でのキャリア形成を目指してきたわけではなかったので、資格も何も持ってなくて

なので、仕事として考えるとハードルが高いかなっていうのは思ってたんですけど、あまりにも気になったもので、その募集に応募してみようと思ってですね😳

木下

すごい勇気ですよね・・・🥺

中嶋さん

最初は非常勤という形で現場を見ながら仕事をさせていただきました。

中嶋さん

働き始めた当初はやる気だけで採用してもらったみたいなところがあって、今だったらあまりにも勉強不足だなって、考えられないなって思うんですけど、当時のホーム長が子どもに関わる色々な手続きの話をしていた時に、「児相(※児童相談所の略)が~」っていうのが分からなくて(笑)

木下

(笑)

中嶋さん

児相って何ですか?って聞いてしまって、「この仕事しててそれを知らないというのは考えられないよ」「ちゃんと勉強しなさい」と言われたんです。

中嶋さん

なのでそういうところから、ほんとに0から一生懸命やらないとなと思ってやってきたところはあります🙂

木下

なるほどー・・・そんな積み重ねがあったんですね・・・🥺

ホーム長として現場で感じる課題感

1.画一的なホーム運営

木下

そこから今のキャリアを歩まれることになったかと思うんですけれども、中嶋さんがリープのホーム長として現場で働かれる中で、課題を感じられている点についてお伺いできればと思います😳

中嶋さん

自立援助ホームの青年たちって、何かしらの理由があって家庭に居られない、あるいは児童養護施設にも居られない、そういう難しい生活を求められている利用者さんばかりなので、課題として抱えているものが多いのは事実です。

木下

うーん・・・💧

中嶋さん

それが虐待経験だったり、障害の有無だったり、それぞれに様々な課題があるんですけど、今の自立援助ホームはそうした個々に異なるはずの課題が一緒くたにされて、みんな同じ環境でそれぞれの課題に向き合っていくことが求められています💭

木下

なるほど・・・😖

中嶋さん

利用者さんそれぞれが目指していくもの、変えていく部分がみんな違ったりするんですよね。

中嶋さん

つまり、就学を目指す利用者さんにとって就労が前提とされている環境というのは決して合っているわけではなく、逆に、就労を頑張っている利用者さんにとっては、就学だけで生活している利用者を見ると(制度上のいろんな対応の違いがあることで)思うところがあったりするわけです😢

自立援助ホームの利用者さんが全日制高校に通う場合、授業や部活などの学校生活によってアルバイトなどが十分にできないという事情が考慮され、ホーム利用料の支払いは免除となっています。 就労を頑張っている利用者さんからすると、 「私はこんなに仕事を頑張って利用料も払っているのに、あの子は利用料を払わなくて良いんだ。学校生活も楽しそうだし、仕事もせずにホームに居られて羨ましい。」 という不満に繋がりかねません。

また、大学や専門学校などであれば、給付型の奨学金で毎月お金が入ってくることもあり、そういったことを羨ましく 思う利用者もうまれます。

「じゃあみんな高校行った方が得じゃない・・・?🤔」と思われるかもしれません。

結論からお伝えすると、実際に増えています◎

そもそも、ある一人の児童が社会的養護を必要とする状況に置かれた際のファーストチョイスは児童養護施設となっていました。ですので、中学生まで児童養護施設で暮らし、そのまま児童養護施設から希望の高校に通うケース、あるいは中学生の時点で社会的養護下に置かれるようになった場合も児童養護施設への入所(ののち高校進学)となるケースが一般的でした。
とはいえ、様々な事情で養護施設を退所せざるを得ない児童もいるわけです。
あくまで自立援助ホームは、そうした場合の「最後の砦」として(利用者の就労を前提として機能していました。

しかしながら、特別な事情があり全日制高校に在籍したまま児童養護施設を退所する場合や、高校入学後に家庭を出ることになり一人暮らしをしないといけなくなった、というようなケースもあります。
そうしたケースにおいて、生活の場として自立援助ホームを利用することになった場合においてのみ例外的に利用料納入についての相談を受けるようなことがありました。

近年では国や自治体の考え方が変化してきており、福岡県の場合では、全日制高校・通信制高校・定時制高校すべてにおいて原則利用料が全額免除されるようになりました。
伴って自立援助ホームで暮らしながら高校に通うという利用者が増え始め、ごく最近では自立援助ホームを利用する就学児童の約半数は全日制高校に通っているというデータも出ています。

中嶋さん

あるいは、バリバリ仕事もできて、それこそ一人暮らししても大丈夫なんじゃないかなっていう自立度の高い利用者さんがいる一方、(例えば発達障がいだったり別の障がいを有していることで)中々就労が難しく、本当は福祉的就労に繋いだ方がいいんじゃないかなという利用者さん、そもそも就労以前の問題を抱えている利用者さんが皆同じ環境下で暮らしているという💧

1「福祉的就労」・・・”心身に障害があり、一般企業で働くことが難しい場合などに福祉サービスを受けながら働く働き方を福祉的就労といいます。福祉的就労を行う場としては総合支援法に基づく就労継続支援事業所、生活保護法に基づく授産施設などがあります。福祉的就労では、一人ひとりの状況に合った、働くスキル向上のための支援を受けながら生産活動を行います。”

http://xn--https-h81m73n8pa//snabi.jp/article/250#1tcdg
中嶋さん

それが今の自立援助ホームの課題じゃないかなと感じています。

中嶋さん

自立度の高い利用者さん、就労が出来ないほどではないけれども実際の一人暮らしには不安が残る利用者さん、そもそも中々きちんと生活を送れないような利用者さん・・・。

中嶋さん

実際、結構利用者さん同士でもめてたりするんですよね。一生懸命仕事を頑張ってる子が好き勝手やってる子を見て納得できない、とか😓

中嶋さん

象徴的なのは3万5千円のホーム利用料の支払いです💰

※2「ホーム利用料の支払い」・・・入居者が自己負担する金額。いわゆる家賃のようなもの。
中嶋さん

これを全く払う気がない子もいて、再三注意はしてるんですけど、「いや頑張って払うから」と言って結局払わない、払えない。で、お小遣いを何とか抑えて、一生懸命自分の少ない給料から利用料を払ってる子からしたらバカみたいだと。

中嶋さん

そういう子も、もちろん払う意欲が無いというのも原因の一つではあるんですけど、精神疾患があったりだとか、能力的にも難しい部分があったりするわけです。

中嶋さん

福祉的就労に繋ぐことまでは難しいけれども、一般就労までには課題があったり。

※3「一般就労」・・・”企業や公的機関などに就職して、労働契約を結んで働く一般的な就労形態。”
一般就労と福祉的就労とは 障害者の働き方について – 記事 | NHK ハートネット
中嶋さん

そういった事情もふまえると、「利用料払ってないから出て行きなさい」とは簡単にはできないので・・・💦

木下

なるほどですね・・・なんかこれほんとに個人的に思うことなんですけど、結構「自立援助ホーム」といわゆる「一般家庭」って被るところがあるのかなって思ったりして。

木下

例えば障害を持ってるお子様がいらっしゃったときに、親御さんが(ご自身の)気持ちに折り合いをつけてお子様ご本人に適した進路へと導いてあげるのが理想だと思うんですけど、でもそれがすごく難しいというか😥

木下

親御さんご自身が受け入れられない+学校でも大学に行くことが前提になってたりする時に、子どもからしたら限られた選択肢の中で窮屈に進路を選んでいくしかない。

木下

画一的な選択肢の中に閉じ込められているという意味では、一般家庭であったり、今の学校教育にも通じる課題なのかなと思いました💭

中嶋さん

そうなんですよねー。

自立援助ホーム・LEAPのリビング

この記事を書いた人

木下瑞貴

NPO法人スマイリーフラワーズ教育事業部スタッフ。
学生時代より「子どものサードプレイス作り」をテーマとして活動。子どもを支えるだけでなく社会も同時に変革させていきたい、子どもの問題に関心を持ってくださる人を増やしたいという思いのもと、発信活動にも力を入れております。本ページでは、子どもに関係する団体についてストーリーを掲載することで、社会の皆様に子どもの問題や活動団体をもっと身近に感じていただくことを目的としております。