これからの事業構想
今後、中嶋さんが取り組んでいこうと思われていることなどあれば是非教えてください!📝
大きく2つあるんですが、1つは子供たちが困った時に相談できる窓口を増やすために、他のホーム・関係機関と密なつながりを作ること。
これは特に女性利用者さんにとってより必要なことだと思います。
女子利用者にとっての身近な問題として、DV、性暴力被害や、援助交際、性風俗産業 、そこから繋がる薬物や犯罪といったものがあります。その他にも、望まない妊娠や孤独な出産といった女性特有の問題もあり、本人だけでは解決できず一人で抱えてしまうことが多くあります。
男子利用者の抱える問題と重なる部分もありますが、これらはとりわけ女子利用者に多く見られる問題です。 そしてこうした問題を自立援助ホームだけで解決するのは非常に困難です。
女子利用者への支援には、児童相談所はもちろん、地域の子育て支援相談窓口、弁護士、 警察、病院、性暴力被害支援団体など、様々な相談窓口が必要であり、彼女たちを然るべき専門窓口へ繋げるために、「関係機関・支援者同士の”連携”」を図っていくことが求められていると感じています。
なるほどなるほど!
もう1つは、機能をあえて分けたホームを運営していくこと、ですかね😊
1つ目から詳しく聞かせてください!👂
事業所によっては自立支援担当職員を配置できないホームもありますが、そういった事情抜きにして子どもたちにとってアフターケアは本当に大事だと思うんですよね・・・
なので、全ての子どもたちが平等にアフターケアを受けられるように、たとえばそだちの樹さん(そだちの樹 (sodachinoki.org))のようなアフターケアに既に取り組んでおられる団体と連携を取っておくことも大切です😶
女性支援の団体で言うと、筑紫女学園大学の大西先生がやられている「つながーる」(女性支援 | つながーる(福岡県女性と社会のつながり支援事業) (tsunagirl2021.wixsite.com))という女性支援、うちの法人で言うと女子ホームの「かんらん舎」(自立援助ホーム かんらん舎 – kanransya-fukuoka ページ! (jimdofree.com))、福岡市内で言うと福岡カルーナさんだとかが連携して、女子利用者さんが退所後にいつでも相談できるような、そんなネットワークを作っていく必要があるのかなと思います。
福岡はどんどんホーム数が増えているので、アフターケアを見据える上で、いろんな団体としっかりコミュニケーションをとって、繋がりを強固なものにしていきたいという思いはありますね🤝
横の繋がり、大事ですね。
2つ目も、「機能をあえて分けたホーム」についても是非教えてください!😳
課題感の部分でも触れたのですが、今の自立援助ホームではいろんなタイプの子どもが同じ環境で生活することの難しさが出てきています💦
ですので、自立度が高い利用者さんを中心にしたホーム運営だけではなく、就学型であったり就労型であったり、あるいはそれよりも前のステップとしてのホームだったり、施設の形態を多様化させていけたらと。
そういうのに取り組まれている団体は既に全国に数多くあるので・・・
そうなんですね!?!?😲
5年前、10年前は、自立援助ホームは(地方では)各県に一つくらいしかないのが当たり前で、そうなると自分に合ったホームの選択というのは難しい話だったんですけどね😕
そのような中で、僕らとしては、①仕事ができるようになるまでの助走期間が長く必要な子を支援するホームと、②自立度が高く利用料をしっかり払いながら貯蓄もできるような子がステップアップをしていくためのホームの2つの場所を提供して行きたいと考えています🏡
完全に切り離された2つのホームとして運営するのではなく、個々の成長段階に合わせて行き来できるようなイメージです。出来ることが増えてきたら後者のホームに移動したり、うまくいかなくなった時に一旦前者のホームに移って生活を立て直そうか、みたいな😊
そのように連携を取りながらそれぞれの機能を活かしていくっていうホームを、来年度以降で開設をしたいなっていうところで、実際に今現在、児童相談所の方に子どもたちのニーズや男女比率、課題などを相談させていただいているところです!
ホーム長として実現したい世界🌎
最後に、リープホーム長としての中嶋さんが実現したい世界を教えてください🥺✨
そうですね・・・彼らはいわゆる一般家庭で育つ子たちのように、親に見守られながら一緒に人生を考えていって、ということが出来ない分、少なくとも自分が選んだことはチャレンジしていけるような、それが保証されるような環境としての自立援助ホームを目指していきたいなというのはありますね。
やっぱり、なんでもかんでも選択できるってなるとまた違う弊害が出てくるかとは思うんですけど、でも自分が目指したい仕事を目指すときにはその選択が尊重されるような状態が理想です。
自分の人生を自分で選択していいんだと思って欲しいんです。
彼らもいきなり放り出されて・・・覚悟を持ってこの生き方をしてるわけではないと思うんですよね。
生まれた時から、あるいは途中からそれを迫られたそんな子たちに、「あなたは人生に覚悟があるのか」なんてのはとても言えないなと。
酷な話ですよね・・・😭
家族や親から与えてもらえる選択肢がなくなっても、自分自身は選択肢が持てる状態であってほしいなと思うんですよね。
親がいないからできなくなるというようなことはなくしてあげたい。
(涙腺崩壊・・・)(優しい・・・)(リープの利用者さん幸せだな・・・🥺)
なので、決して「あなたの人生はこうなんだから現実は自分で受け止めていくしかない」「ここまでしかない環境でやるしかない」ということを伝えたいわけではないんですけど、環境面ではそうなってしまっているところも実際にはあって・・・😔
壮大な話にはなるんですけど・・・大きな企業や団体から色んなバックアップをしてもらいながら、利用者さんがより具体的に自分自身の生き方を描き、選択できるような環境をほんとは提供してあげたいですね。
実は、活動をしながら(SNS上で)とある自立援助ホームの職員さんから「与えるだけが支援じゃない」という(厳しめの?)お声を頂いたことがあって、なんかモヤモヤしてたんですよね💭
別に、「かわいそう」って言いたいわけじゃないんですけど、あくまで不変の事実として、実家が無い、家族がいない、よりどころが無い彼らが与えられてしかるべき場所だったり支援っていうのがあるんじゃないかなと思ったりしていて🤔
ちょっと言葉は違うんですが、考え方としては「合理的配慮」6みたいな。
http://xn--https-bn4dwb0c2j8n//junior.litalico.jp/about/hattatsu/consideration/
中嶋さんの仰った、「少なくとも自分が選んだことはチャレンジしていけるような、それが保証されるような」という考え方がすごくしっくりきました🥺
ほんとに自分もそう思います。
どうしても職員は、職員の視点での一人称になっちゃうことが多くて・・・
人生を選択していくのはあくまでその子なので、その子がいろんな選択をしていくうえで、知りたい情報を求めた時にこちらが答えられればいいなと思っています。
そのために必要な情報、知識や関係性を準備しておくのが自分たちの仕事だと考えています。
(編集後記)
自立援助ホームが直面している課題には、広く「教育」分野の課題に通ずるような部分も見受けられたことが個人的には興味深いなと思いました。現在の自立援助ホームでの暮らしは(一般的に)ある種全体最適化されているものとしてあり、どのレベルまで個別最適化を図っていくかがミソになるように感じます。
そして何より、利用者さんとともに未来を見つめ、彼らの背中を押す中嶋さんの温かい思いをたくさん感じ、私自身も励まされたような気持ちになりました。
今回はホーム長としての中嶋さんにフォーカスを当てた記事でしたが、是非「自立援助ホーム」そのものについても興味をお持ちいただき、彼らを見守る仲間が社会にもっともっと増えたらいいなあと思います😊
【今回インタビューさせていただいたLEAPさんのホームページはこちらから↓💻】
自立援助ホーム LEAP – leap-chikushino ページ! (jimdofree.com)